• Texstyle / Silk Fuzz
  • 2025年2月28日

Fuzz Dye Plum 繭(マユ)の毛羽(ケバ)を紡いでみる⑤【染色: ウメの若枝】

「繭(マユ)の毛羽(ケバ)を紡いでみる①【精練】」で《精練④》をした毛羽(ケバ)は約55%にそぎ落とされました。【染色: タマネギの皮】『「タマネギの皮」のミョウバン先媒染』【染色: 蚕のフン】『「蚕のフン」の後媒染』をやってみましたが、その後はなかなか着手できない中で『ウメの若枝』は今しかできない季節物と感じる染料材です。昨年の年明けすぐに開花前の「新春の「枝垂れウメ」で『若枝染め』」レポートを作成したのですが、その後は花後の「甘楽小幡の桜の伐採心材で『サクラ染め』」などで染めてみたものの目論見ははずれて大失敗、やはり花枝は『開花前の若枝』というのがポイントだと感じました。そこで今回は開花前の若枝で精練した毛羽(ケバ)を染めて紡いでみます。媒染は結果が安定している《ミョウバン先媒染》のみの実施です

  • 2025年3月 開花が始まったと思ったのに久々の雪でツボミがたくさん落ちてしまった。今年もまた花が少なくなりそうです
  • 材料・薬品

    1. 花芽のないウメの若枝:200g
    2. ミョウバン:漬物用で家にある物を使用

    染材

    1. 毛羽(ケバ):50g ※精練④済み

染液を抽出①

【ウメの若枝: 200g】を【水: 1ℓ】に入れてグラグラさせずに80℃~90℃で30分煮る

  • 【水: 1000cc】で80℃~90℃で30分沸騰させずに煮る
  • その後は同様に、1番液、2番液と抽出してから抽出液を合わせる(かなり薄い)
  • ミョウバン先媒染

    1. 【焼きミョウバン:5g】を少しの熱湯で溶かす
    2. 【水: 1ℓ】にミョウバン液を加えて加熱
    3. 30℃程度になったら染材(毛羽)を入れる
    4. 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
    5. 火から降ろして30℃くらいまで冷却し絞る
    6. お湯でよく洗って脱水
  • ウメ染め①

    1. 30℃程度になったら染液に染材(毛羽)を入れる
    2. 弱火でゆっくり温度を上げながら50分~1時間煮沸
    3. 火から降ろして30℃くらいまで冷まし絞る
    4. ぬるま湯で3~4回、よく洗って脱水
    5. 塊りがないように引っ張って広げてから陰干し

この流れで実施したがあまり良く染まらなかった。
昨年の抽出液の方がよくできて、今回は抽出液の濃度があまり高くできなかったのが原因だと思うので、高温で再抽出します。

染液を抽出②

【ウメの若枝: 200g】を【水: 1ℓ】に入れて<グラグラさせて>30分煮る。抽出①は古木片も入っていましたが、今回は青い若枝のみ。抽出後に酸化させると赤味が強くなったようです

  • 【水: 1000cc】で30分沸騰させて煮る
  • その後、1番液、2番液と抽出してから抽出液を合わせる(抽出①より濃く感じる)
  • ウメ染め②(この部分は①と同じです)

    1. 30℃程度になったら染液に染材(毛羽)を入れる
    2. 弱火でゆっくり温度を上げながら50分~1時間煮沸
    3. 火から降ろして30℃くらいまで冷まし絞る
    4. ぬるま湯で3~4回、よく洗って脱水
    5. 塊りがないように引っ張って広げてから陰干し
  • 《ウメ染め①:乾燥》《ウメ染め②:乾燥》
  • 《ウメ染め②:ハンドカーダー掛け》
  • 《ウメ染め②:紡ぐ》
  • 毛羽を「ウメの若枝」で染めて紡いでみる

    染め段階で①は古木片も入っていましたが、②は青い枝のみで染液を抽出。
    また高温でグラグラさせ酸化させることで赤味が増したようです。
    冬のせいか?毛羽のハンドカーダー掛けは静電気でとても大変!
    このところ、とても感じることですが私の住む群馬南部はかなりの乾燥地域です。繭は乾燥している場所での管理が必要。ですから、養蚕後の製糸場の立地として最適な場所だったのかもしれませんね。

  • 毛羽を「ウメの若枝」で染めて紡いでみる

    今回の紡ぎ糸は玉巻にして他の状態のものと比較してみました

    1. 《ウメ染め①:乾燥》:かなり明るい肌色
    2. 《ウメ染め②:乾燥》:明るい肌色「アプリコット」
    3. 《ウメ染め②:ハンドカーダー掛け》
    4. 《ウメ染め②:紡ぐ》

     

  • 今回実施した染め、左から《ウメ染め①:乾燥》《ウメ染め②:乾燥》《ウメ染め②:紡ぐ》《ウメ染め②:ハンドカーダー掛け》

Color Chartカラーチャート

繭(マユ)の毛羽(ケバ)の枝垂れウメの『若枝染め』

「新春の「枝垂れウメ」で『若枝染め』」レポートで実施した染め色は宍色と表現したように濃度と黒味を感じる肌色でしたが、今回は濁りの少ないクリアな感じがします。染まりが薄く抽出の失敗といえるかもしれませんが、これは『アプリコット色』と表現できる色になりました

ミョウバン先媒染

  • 《抽出染液①》
  • 《抽出染液②》

「新春の「枝垂れウメ」で『若枝染め』」で実施したカセの色目

  • 《ミョウバン先媒染》

※このカラーチャートは私chackeeが染材の仕上がりを目視で数値化し、サイト表示したもので、あくまでイメージです。

PAGE TOP