• Texstyle / Dyeing
  • 2024年1月14日

Plum Dyeing新春の「枝垂れウメ」で『若枝染め』

我が家の庭に鎮座するかなり古い「枝垂れウメ」の花芽も膨らみはじめました。
2024年は年明け早々から大きな災害や事故、そして私もチョットした胃腸不良で来月決定していた旅行を取りやめにするなど、あまり明るい話題から始めることができなかった年なので、前向きな染色生活の今年最初の植物染色に新春の「ウメ」を選んでみました。
ウメの染色方法はサクラよりも資料はかなり少ないです。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と云われるように花を咲かせたり樹形を小さく保つために年に何度も剪定で枝を落とすので採取機会は多いですが、どんな時期に染めるのが良いか?と迷いました。でも、この時期の新しい枝を伸ばしながら花芽の無いシュートのような青い若枝が赤い色素をたくさん持っているのではないかと勝手に考え、そんな枝を集めて染色してみることにしました。

  • 2023年3月初めの花姿
  • 材料・薬品

    1. 花芽のないウメの若枝:100g
    2. ミョウバン:漬物用で家にある物を使用

    染材(精錬した絹糸)

    1. 緒糸(キビソ糸):10g×2

    道具

    1. ホーロー鍋

ウメの若枝から染液を抽出

恩師の出版本『ウールの植物染色』にも心材での染めについて紹介されていました。それといくつかのサイトを調べながらやってみます。
今回も精錬済み絹糸ですが動物繊維なので前処理は特にしていません。

  • 花芽のない青い枝を採取
  • 【水: 1000cc】で30分。80℃~90℃で30分沸騰させずに煮る
  • 1番液の抽出完了
  • 完成した1番液はかなりベージュの仕上がりで心配
  • 最初はかなり薄めのベージュですが冷ましている間に濃くなってきた(自然酸化?)
    4回の抽出。右から1番液、2番液、3番液。ほぼ同じ色目
  • 抽出した4回分を合わせて煮詰めて濃縮。かなり良い感じの赤い液が出来上がった

染液の抽出はここで一旦終了

  • もう少し大きな容器でやるべきだったかも
  • ミョウバン先媒染

    1. ①【焼きミョウバン:1g】を少しの熱湯で溶かす
    2. 【水:400cc】に①のミョウバン液を加えて加熱
    3. 30℃程度になったら染材(絹糸)を入れる
    4. 弱火でゆっくり温度を上げて30分ほど煮沸(沸騰させない)
    5. 火から降ろして30℃くらいまで冷却し絞る
    6. お湯でよく洗って脱水
  • ウメ染め

    1. 30℃程度になったら染液に染材(絹糸)を入れる
    2. 弱火でゆっくり温度を上げてカセを手繰りながら50分~1時間煮沸
    3. 火から降ろして30℃くらいまで冷まし絞る
    4. ぬるま湯で3~4回、よく洗って脱水
    5. 絡まらないように捌いてから陰干し
  • 枝垂れウメの『若枝染め』

    参考文献はほとんどベージュ系の仕上がりでしたが、思ったより赤味のある仕上がりとなりました。
    《ミョウバン先媒染》と《無媒染》でほとんど違いは出ませんが、わずかに《ミョウバン先媒染》の方が「黄色み」と「色の定着感」があります。今後経年劣化などの堅牢度に差が出るかもしれません

今回は開花前の若枝で染めてみましたが、考えていたものより赤味のあるステキな色に染まりました。
花後の夏や秋の季節、枝や心材・実などでまた違った色での染まりになりそうです。「ウメ」はおもしろいのでまた染めトライをするつもりです。

市販媒染剤で染色

この『ウメ染め』は桃色(ピンク)の染まりが魅力だったので黒味(グレー)に片寄る《鉄媒染剤》は使わず《ミョウバン先媒染》で染めてみましたが、もう少し明るめの色を期待して赤系の発色が良いと感じる市販の媒染液を入手しました。

  • 田中直染料店「草木染薬品」浸染用錫液、浸染用チタン液
  • 《スズ先媒染》と《チタン先媒染》:1000ccの水に各媒染剤を3cc、80~90℃で30分煮沸
  • 抽出液に染材を入れる。濃縮させなかったので液量は多いが少し薄め。80~90℃で30分浸染
  • 《銅後媒染》:1000ccの水に媒染剤を5cc、水洗い、絞ったした染材を入れて80~90℃で30分煮沸
  • 枝垂れウメの『若枝染め』②

    2回目の抽出液をつくる段階で、濃縮させなかったので液量は多いが色素が少なっかったのかもしれません

    1. 《銅後媒染》かなり薄い仕上がりとなってしまった。3種類を一緒に染めるのにあたってこれだけ無媒染でのスタートなので、吸収力に差ができてしまったよう
    2. 《スズ先媒染》わずかに黄色みの加わった明るめの仕上がり
    3. 《ミヨウバン先媒染》1回目に染めた物:色比較のために
    4. 《チタン先媒染》かなり濃いオレンジがかった色に染まった

Color Chartカラーチャート

枝垂れウメの『若枝染め』

《ミョウバン先媒染》と《無媒染》
日本の色として調べたら『宍色(ししいろ)』と云われる「浅い黄みがかった薄く淡い黄赤系の色」を少し濃くした感じです。

  • 《ミョウバン先媒染》
  • 《無媒染》

市販媒染液

  • 《錫先媒染》
  • 《チタン先媒染》
  • 《銅後媒染》

※このカラーチャートは私chackeeが染材の仕上がりを目視で数値化し、サイト表示したもので、あくまでイメージです。

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