- India Kashmir Texstyle /インド カシミール
- 2024年8月11日
Mosque 木造の鋭い尖塔屋根をもつ『モスク』
イスラム教徒が9割以上のシュリーナガル。いち日の始まりは早朝のアザーンから、そして街中のあちこちにモスクがあります。
カシミール地方の宗教史はBC3世紀、アショカ王がインドを統一した時にその支配下に入り、まずは仏教文化が発展。その後、ヒンドゥー教の時代を経るなどしたこともあり、文化の重層が感じられる地域です。インド全域に広がるヒンドゥー教は石造建築での寺院が主となっていますが、この高地は雨や積雪が多く勾配を持たせる尖塔状の方形屋根を持つ木造の寺院になったようです。
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14世紀にイスラム化が進み、モスクをはじめとするイスラム建築が建てられるようになっても木造で建てられることは続いたようです。イスラム圏は広いですがカシミール地方以外で木造モスクをあまり見ることがありません。そしてそのモスクは丸いドーム状の屋根のかわりに鋭い尖塔屋根が造られたようです。
ジャーマ マスジッド (Jamia Masjid Srinagar)
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カシミールの木造モスクの中でもっとも規模が大きく魅力的な建物です。ホテルのオーナーのご厚意により内部を見学させていただきました。ここは木造のために何度か火災に遭って再建を繰り返したようで、外壁だけはレンガ造りに置き換えられています。敷地内にミナレットはありませんが、尖塔型の屋根の頂部がその役割も果たしているそうです。礼拝堂内部はシンプルな太いヒマラヤ杉の列柱が370本並んでいることから、石柱の礼拝堂が多いイスラム建築とは思えない雰囲気を創り出しています。しかしかえってそこがこの地域のモスクを象徴しているようにも思えます。
- 太いヒマラヤ杉の列柱は不思議な感じがする
- 床にはひとりひとりお祈りできるくらいの大きさの絨毯が敷き詰められている
ダスタギール モスク (Masjid Dastgeer Sahib)
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街中にあり一見イスラム教モスクには見えない外観で尖塔型の屋根をした建物です。歴史は浅い感じで外観は白く、内部はところどころモザイクが施されています。
活気もありちょうど日曜礼拝をやっていて多くの信者が訪れる流れで内部におじゃますることができました。
しかし、礼拝所の一番奥は男性のみで手前の部屋で女性信者さんたちと一緒にクッキーとお茶でおもてなしを受けました。
男性の信者のみの礼拝所内部は大きなシャンデリアとペーパーマッシュのようなカラフルな柱や天井で構成された部屋でした
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ハズラットバル モスク (Hazratbal Mosque)
ダル湖の北岸に位置する白い大理石ファサードのイスラム教のモスク。カシミール地方の古い尖塔型タイプの屋根ではなく王道のドーム型でミナレットもあります。
宗教的にも重要なモスクで湖畔側から眺めるとその白さと大きさ、荘厳さを感じました。