- Texstyle / Dyeing
- 2023年7月24日
Lagerstroemia Dyeing庭の「サルスベリ」で『生葉染め』
家の庭にはあまり大きくない2本の【サルスベリ】があり、7月になるとかなりの量の花をつけます。
染色の参考文献が少ないので、どんな色に染まるのか?とも思いましたが、枝は一年を通してありますが、葉をトライできるのはこの季節だけなので、緑色系統が出るのを期待して生葉での染色をやってみることにしました。
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材料・薬品
- サルスベリの生葉:80g(被染物の200%)
染材(精錬した絹糸)
- 緒糸(キビソ糸):20g×2
道具
- ホーロー鍋・不織布ネット・フードプロセッサー
生葉染め(鉄媒染・銅媒染)
先にも紹介した恩師の出版本『ウールの植物染色』にも少しだけ紹介されていました。
- 生葉を採取
- フードプロセッサーで細かくする
- 不織布に葉を【水: 1000cc】に入れて煮る
- 葉が粘液化。この後、不織布では漉せず、ザルで対応
- ねばり気のある染液完成
- 染材(糸)を30分水に浸して軽く絞り、染液に入れて沸騰しないくらいの温度で染色
- 【水:1000cc】【鉄媒染剤:20cc】の媒染液で処理
- 【水:1000cc】【銅媒染剤:20cc】の媒染液で処理
- 糸をほぐしながら水洗い。陰干しで乾燥
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庭のサルスベリで生葉染め
参考文献がなかったので、試行錯誤での生葉染めとなりました。
染液作りで葉を細かくしての加熱でしたが、液が沸騰した時点で葉っぱが崩壊しネバネバに粘液化。葉を入れていた不織布の目が詰まって漉すことができなくなりました。ザルなどを使ってある程度は漉せたので、それを染液としました。
糸の写真上から- 《鉄媒染》彩度の低いミディアムグレー
- 《銅媒染》ゴールド感のある黒味を少し持った黄色
《鉄媒染》の結果は「彩度が低い」と書きましたが、これは色の混じり気のない『クリアなグレー』ということです。RGBカラーのHEX(ヘキサ)で表示すると【#666666】という感じです。媒染液の濃度を濃くするか?二度染めをしたら『クリアな黒』に染まるかもしれません。
今回はサルスベリの『生葉』でやってみましたが、枝を落とす秋には枝などで染めてみたいと思っています。