- Texstyle / Dyeing
- 2023年7月10日
Mordant染色用『鉄媒染液・銅媒染液』を作ってみた
『媒染』とは被染物と染料を媒介するという意味らしい。植物を煮て抽出した染液に被染物を浸けただけでは完全に発色することはできない。
色素を被染物に固着させてより発色させる薬品を「媒染剤」と言い、発色の他に堅牢度も高くする役割をもつようです。
植物での染色を始めてみるといろいろな媒染液で試したくなってきました。化学薬品の媒染剤をネットですぐに入手することもできる時代ですが、手元にあるもので作ってみるのも良いかもと先日「千美工房」さんで教えていただいた方法で作ってみました。
鉄媒染液(Fe)
書籍などを見ると硫酸第一鉄や木酢酸鉄を使うらしいです。
今回は身近なお酢でやってみます。わが家では普段の料理で『穀物酢』ではなく『米酢』を使っています。米酢の方が【酸度:4.5%】と高く媒染剤としても使いやすいそうです。そして「鉄」。家に「くぎ」が見つからなかったので、身内に「いらない釘ってない?」って聞いたところ次の日に1kg近い『錆びたクギ』が届きました。
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材料
- 錆びたクギ(250g)
- 米酢(250ml)
- 水(250ml)
道具
- ホーロー鍋・加温設備・保存用ビン
- 【米酢: 250cc】
- 不織布の袋に入れた【錆びたクギ】酢と水を合わせた液に入れ約30分間煮る。
- クギを取り出し、半分くらい煮詰める
- 冷めてきたらコーヒーのフィルタでこしながら保存ビンへ
- 取り出したクギは一瞬キレイになった。乾燥したらまた錆びが出ていた
- 鉄分がかなり多くて濁っていた
酢を煮ることによる匂いを気にして室内で作るのは抵抗があったので、ほぼ屋外の温室にしている場所で取り組んだ。出来上がった鉄媒染液はかなり鉄分濃度が濃いということが使用後になってわかった。染色の媒染に使うのはもう少し薄い溶液で問題ないようです。
銅媒染液(Cu)
書籍などを見ると硫酸銅や酢酸銅が使われています。
今回もお酢を使って作ります。ネットでは10円玉など使われている事例もありますが、お金は使ってはいけない気がするので、銅線を入手。
銅って以外と高額で入手するのが難しいのですね。ホームセンターでは陳列されずに棚へ格納されていました。
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材料
- 銅線(33g)+銅クギ(17g)《2回目》
- 米酢(100ml)+(100ml)《2回目》
- 水(100ml)
道具
- 保存用ビン
- 【米酢: 100cc】
- 《2回目》【銅クギ】を追加投入。かなり青みが濃くなってきた
《1回目》材料を合わせて3日間の経過。液が青みがかってきたので媒染液完成として使ってみたが、全く影響がでず無媒染と違いが分からない位の作用だった。銅成分がほとんど溶け出していなかったのかもしれません。
《2回目》銅クギを投入して、米酢も追加。
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銅媒染液(Cu)木酢酸
園芸用の木酢酸を使って銅媒染液を作ってみた。
媒染後の匂いが気になる。干して置いたら匂いは気にならなくなった。材料
- 銅線(33g)+銅クギ(17g)
- 木酢酸(100ml)
道具
- 保存用ビン
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銅媒染液(Cu)氷酢酸
千美工房のMTIさんからアドバイスをいただき、氷酢酸を入手して媒染液を作ってみた。あっという間に青みのある液体が出来上がった
こちらも液の匂いはすごいキツイが媒染後に陰干し乾燥したら気にならなくなった材料
- 銅線(33g)+銅クギ(17g)
- 氷酢酸(100ml)
道具
- 保存用ビン