• Bangladesh Texstyle / バングラデシュ
  • 2023年2月19日

Jamdani極細の糸から織られる伝統工芸『ジャムダニ織り』

ダッカの南東のルポシ村 (Rupshi) で極細の綿糸で織られるモスリン織物の『ジャムダニ織り』は、2013年にユネスコの無形文化遺産に指定された伝統工芸の織物です。
ムガル帝国時代は皇帝に愛用されてきましたが、その後の権力の衰退により影響力のある後援者を奪われたこと、英国の植民地化の活発な工業的な生産、ヨーロッパからの低品質で安価な糸の輸入など、時代の流れといくつかの要因にともなってこの染織技術は急速に衰退したそうです。現在は、政府など色々な組織のバックアップにより家々に伝わる技術を認識し、継続する担い手を残そうとしているようです。


見学させていただいたShafiq Jamdani House (シャフィーク・シャムダニ・ハウス) は、少し薄暗い作業場に10台くらいの広巾の手織り織機が並び、2人ずつペアになって機に向かっていました。ベースとなる基本的な織地は極細の綿と絹の「平織り」で模様部分の経糸をピックアップして緯糸を入れていくという、刺しゅうのような『つづれ織り』風の浮き模様を施す織りスタイルです。シルクの金糸や銀糸を織りまぜサリーなどを制作していました。
現在、綿糸はインドから、絹糸は中国から製糸したものを輸入し、近郊の家で染色したものを使っているとのことです。

  • 2人組で無地の経糸に模様を織り込んでいく
  • 経糸をピックアップしながら緯糸で柄にしていく

工房周辺を見学

  • 緯糸の小管に糸を巻き取る様子を見せてくれた。糸巻き機に自転車のホイールを使用
  • 綛から糸を取り出す。これが糸枠のようです
  • 村の中央の空地で織りあがった布を水通しして乾かしているよう
  • このようなサリーを織っています
  • 新しい布だけでなく、使い古したサリーを解体して一枚の布として穴などを修復
  • 着物の「洗い張り」のような作業もしていた

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