- Texstyle / Dyeing
- 2023年8月30日
Indigo Dyeing Ⅱタデアイ乾燥葉のハイドロ建てで『藍染め』
今年、タデアイを種から育てたけれど、結局は『生葉染め』を2回ほどトライできる程度しか葉を集められず終了。そんな報告話をした友人から「数年前にタデアイを自家栽培して丁寧に乾燥葉にまでしたもの」をたくさんいただいたので、さっそく藍染めをしてみることにしました。
実は乾燥葉での染めトライは今回で2回目、以前にもその友人から乾燥葉のおすそ分けをいただいて染めトライをしてみたのですが、その時は大失敗。染液をつくる工程までの完了ができなかったのです。たぶん手持ちのハイドロが古く、変わるべき還元剤と強アルカリ性のソーダ灰が用意できなかったのが原因。染液にならず染材に全く色が付きませんでした。
ありがたいことに、今回はその友人に市販の【ハイドロコンク】と【ソーダ灰】もいただいたのですぐにチャレンジする気になったのです。
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材料・薬品
- タデアイの乾燥葉:60g(被染物と同じ量)10gで一カセに
- ソーダ灰(市販品)
- ハイドロサルファイトコンク(市販品)
染材(精錬した絹糸)
- 絹糸:60g(少量ずつ分ける)
道具
- ホーロー鍋・排水ネット(高温に絶えられるもの)・手袋・計量器
- 【もらった乾燥葉:約150g】そのうちの半分弱使います
- 【水:2ℓ】で約10分煮だす
- 最初の《1番液》は捨てる
- 液を捨てて絞り、葉を【排水ネットor不織布】に入れる。余裕を持たせるためここでは2つに分けて入れた
- 【水: 1ℓ】に【ハイドロコンク:5g】と【ソーダ灰:5g】入れて葉を煮る《2番液》抽出
- 表面に光沢のある膜のようなものが出来たら終了。染液を別の容器に取り出す
- 《2番液》と同じ方法で《3番液》《4番液》と煮だして抽出
- 《2番液》~《4番液》の3回の液を合わせて染液の完成 (ph10くらい)
今回の染液はかなり上手くできて「すくも」などの発酵仕立てではないものの『藍の華』と呼ばれるような泡の浮遊物が確認できる状態となりました。
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3回の抽出液を合わせて染液に手を入れられる温度に冷めてきたら、ぬるま湯に浸しておいた染材を絞って入れて染める。
2日間にわたり実施。染液があまり酸化しないように保存して2日目も追加染色
- ①《1回目:当日》
4カセ合わせて4~5分染色。空気酸化。水洗い - ②《2回目:当日》
同じ染材を2カセ染色。空気酸化。水洗い - ③《3回目:翌日》
1回目と2回目の染材2カセ合わせて染色。空気酸化。水洗い - ④《4回目:翌日》
3回目の1カセを染色。空気酸化。水洗い
- ①《1回目:当日》
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タデアイの乾燥葉で『藍染め』
以前完全に失敗したので多くを期待していなかったが、比較的明るい青い色にキレイに染まった。グラデーションになることを期待して2日間にわたり染めてみたが、ちゃんと濃く染まったのは初回のみだったと思う。この段階で再発酵はできるのでしょうか?
当日の2回は濃度変化が出たものの、2日目は青にわずかな黄色味が加わった程度しか変化はなかった。染色時間を長くしても濃紺(あいいろ)にはならなかった。- ①《1回目:当日》明るい青
- ③《1回目:当日》 + 《3回目:翌日》①とほぼ同じ明るい青だが黄色味が少しだけ増した
- ②《1回目:当日》 + 《2回目:当日》紺ではなく青
- ④《1回目:当日》 + 《3回目:翌日》 + 《4回目:翌日》②とほぼ同じ青。あまり変化が感じられない
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使った市販の染色補助剤 誠和 ※すでに閉店されてます
- 《ハイドロコンク》
ハイドロサルファイトという還元剤。 - 《ソーダ灰》
無水炭酸ナトリウム。水溶液にすると強いアルカリ性
- 《ハイドロコンク》
Color Chartカラーチャート
タデアイ乾燥葉の『藍染め』
- ①
- ③
- ②
- ④
※このカラーチャートは私chackeeが染材の仕上がりを目視で数値化し、サイト表示したもので、あくまでイメージです。